山と大地そして人

チベットにて
シガールの町  
シガールに帰る
チョゾンにて
ヒマラヤの少女
草原の家族
ヒマラヤの人々

『山と大地そして人』

ヒマラヤに魅入られて

様々な人々と出会った

そして

そこに住む人々の笑顔に感動し

沢山の写真を撮った

その時の感動を

写真に言葉を添えて表してみました




チベットにて

三月より二ヶ月間に及ぶ登山活動を終えて昨夜シガールに帰る
さわやかな朝を迎える
昨夜降った雨のせいだろうか、この味わい・・・

朝食の後、化石を拾いに町外れの山に出かける
アンモナイトを探していると、いつの間にか山の頂に出る
奥にシガールの町が見えた
そうだ、ここはチベットだとあらためて思う
ここは標高四千二百メートルの大地であった

山から下りると沢山の人達が春の農作業をしていた
土を耕す人々
荷車に土を盛る人
山羊を追う子供
畑を起こしている少年
土にまみれている人々
真っ黒い顔をした人々
荒涼たる大地に中で、みんな生きていた

ここに人が住んでいる?
と疑問を持つのは僕のつまらぬ尺度なのだろうか

荒涼たる大地の中で生きている
様ざまな形でみんな生きている

ただそれだけでいい
理解しようとすることじたい無意味なことなのだ

抜けるような青い空と赤と茶色の大地

そこに生きる人々の笑顔

とても輝いて見えたチベットであった


シガールの町

朝食後、化石を拾いに町外れの山に出かける
昼食も食べずにアンモナイト探しに夢中になる

いつの間にか山の頂にでていた
頂より見渡すと荒涼たる大地が広がっていた

奥に町が見えた
そうだ、ここはシガールだとあらためて思う

文明社会から遥かに離れている
最果ての町、シガールなのだ


 

シガールに帰る

山を下りて二ヶ月ぶりに見る町並み
懐かしさを覚える
昨日までの世界から一変する人の住む世界
渇いた砂塵の町シガールである

町の中に佇み辺りを見回す
目に映る世界は青白い氷や氷河に堆積した黒い岩石ではない
目に眩しい白い土壁と日のあたる春の大地である


行き交う人々を見る
どこへ行くのだろう
 早足で通り過ぎる女性たち
 「タシテレ」と声をかけると
 恥ずかしそうに笑顔を見せる
 露店の彼らは私を冷やかす
 広場の真ん中でロバが私を見つめている
 そんな自分が可笑しく思える
 
 久しぶりに味わう笑いの声
 
 久しぶりに味わうこの気分




チョゾンにて
シガールを出発して集落をいくつか過ぎる
ここはチョゾン
標高五千メートルの所に人が住んでいる
ここに人が住んでいる
「どうして?」
と疑問をもつのは僕のつまらぬ尺度なのだろうか・・・
ここに人が住んでいる
そして「生きている」
様々な形で人は生きている
それでいいのだと思う
理解しようとすることじたい
理屈をつけようとすることじたい
無意味なことなのだ




 
 ヒマラヤの少女

笑顔がステキな少女

まなざしは私をひきつける
あふれでるいとおしさに
私の胸がしめつけられる

わが子のように

辛くはないだろうか
幸せだろうか
手をさしのべてあげたい

笑顔がステキな少女

なぜ、こんなに心が豊かのだろう
あふれでる愛らしさは
私の心を打つ

この子は辛いのではない
幸せなのだ
手をさしのべているのは少女

ヒマラヤの少女だった

 




草原の家族

丘の上のユルタを見に行く

写真を撮ってくれと言う

馬にまたがり自慢げなところを「カシャ」

自慢の奥さんと子供たちを「カシャ」

みんないい顔だ

こちらも笑みが出る

幸せそうな家族

人も動物もみんな幸せそうである

カメラのシャッターを切るたびに

私まで幸せな気分になってくる




ヒマラヤの人々

ヒマラヤをとりまく大地

過酷と思える環境の中で

多くの人達が豊かに生きている

豊かさとは何だろう

物の豊かさに慣れてしまい

心の豊かさを忘れてしまった私に

教え諭してくれた彼ら

ヒマラヤの人々
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